が、銘柄は忘れてしまったが、以前一度だけ飲んだ黒糖焼酎が美味しかったので、酒屋でよさそうな黒糖焼酎を探してみた。
黒糖焼酎は人気があるらしく、いくつも置いてあった。結構迷ったが、今回選んだのが黒糖焼酎「あじゃ」(黒ラベル)。
「あじゃ」とは親父という意味のようである。
黒糖焼酎とは奄美地方の特産である。
実は、黒糖焼酎は奄美でしか造ることが許されていないらしい。正確に言うと、造れるが黒糖焼酎と同じものはほかでも造れるが、黒糖焼酎という名前では販売できないようである。
実際に、国内でも『小笠原ラム』というサトウキビ原料の蒸留酒が発売されている。
本来は焼酎もスピリッツ(蒸留酒)のはずだが、日本の酒税法上は焼酎(しようちゆう)、ウイスキー、スピリッツ類に分類されている。しかも、焼酎、ウイスキー、スピリッツ類で税率が違っている。
ここで、黒糖焼酎をどこに分類するか問題となる。焼酎に分類されたほうが酒税が安くなるからである。
勿論、黒糖焼酎は焼酎に分類されているのだが、奄美地方だけの特例であるとか、米麹を使うことを条件にとかいう理由が解説されていることが多いが、根拠条文についてはいまいちよくわからない。
酒税法第3条5項では「しようちゆう」(焼酎)を定義づけている。その中で焼酎から除外されるものとして、
ハ 含糖質物(政令で定める砂糖を除く。)を原料の全部又は一部としたもので、そのアルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のもの
があげられている。
この政令とは酒税法施行令のことだが、サトウキビは『政令で定める砂糖』になっており、除外されているようである。
ただ、とするなら、奄美以外でもサトウキビを使った焼酎を造れるはずだし、米麹を使うことを条件にする必要もないと思うのだが..。
誰か知っている人がいたら教えてください。
さて、話が逸れてしまったが、『あじゃ』である。
常圧蒸留のかめ壺貯蔵酒。
ストレートで室温で飲んでみる。
常圧蒸留のせいか結構ディープ。クセがある。
しかし、舌触りは滑らか。口に入れると黒糖の香りが口中に広がり心地よい。
かなりうまいが、慣れていないとちょっときついかも。僕もあまり慣れていないせいかちょっときつく感じた。かなりの時間を使ってコップ半分をどうにか飲み干した。
慣れるに従って少しずつ心地よくなってくる。
うまいが、ある程度の酒好きでないとストレートはちょっときついかもしれない。
『あじゃ』を造っているにしかわ酒造のHPにはお湯割りも紹介されているので、お湯割りにしてみた。
びっくりするくらいうまい。
かすかに香りが立ち上ってくるし、口当たりがマイルドで滑らか。
酒好きはストレートでもいいが、『あじゃ』はお湯割がお勧めだと思う。お湯割りだといくらでも飲めてしまいそう。
冬は鍋にホットの黒糖も楽しそうである。
原材料 黒糖、米麹
アルコール分25度
製造元奄美大島にしかわ酒造
※酒税法の条文は以下のページから引用しました。
http://www.houko.com/index.shtml