2005年10月02日

アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール

 第三のビールの売れ行きがいい一方、プレミアムビール市場と言われるものも生まれ、ビールの世界も二極分化が進んでいる。
 『プレミアムビール』という呼び方がふさわしいかという疑問はある。と言うのも、プレミアムビールと呼ばれているものは、日本の従来のビールに比べればプレミアム度が高いが、海外ではごく一般に飲まれているものだからである。
 しかし、こうしたまっとうなビールが日本の大手ビールから発売されて普及していくのは素晴らしいことである。
 この減少を評価するとともに、このブログでは従来の大手のビールと区別する意味で、『プレミアムビール』という言葉を使っていこうと思う。

 さて、そうした『プレミアムビール』人気を受けて、各社から続々と発売される中、アサヒが大手としては異色のビールを発売することになった。
 それが、『アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール』である。

   『アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール』の最大の特徴は、瓶内二次発酵(ボトルコンディション)を採用していることである。ボトルコンディションにより、ビールは瓶内で二次発酵をし、熟成を深めていくのである。

 ボトルコンディションについては『ボトルコンディション(瓶内二次発酵)』という文章を参照して欲しい。簡単に説明すると、瓶詰めの際、新たに酵母と酵母が食べる糖分を加えてやることによって、瓶内で酵母が活動しビールは熟成を進めていくのである。この製法をボトルコンディションという。
 ボトルコンディションはベルギーの多くのビールで採用されている。また、国内の地ビールにもいくつも採用されている。
 が、国内大手ビール会社が流通に乗せるのは珍しいことだろう。

 瓶内二次発酵のビールは、熟成が進む結果、刻々と味わいも変わっていく。簡潔に言うと、徐々にまろやかさが増して味がこなれていき、香りも増していく。
 熟し具合によって違った味わいを楽しむことができるのである。
 ひとつのビールで何種類ものビールを楽しむことができるのである。ひとつひとつのビールの熟成具合が変わってくるので同じ銘柄でもひとつとして同じ味のビールがないことになる。

 瓶内二次発酵のビールは海外では珍しくないが、国内の大手が流通に乗せることがあるとは思ってもいなかった。
 今回のアサヒビールの決断は評価に値することである。
 
 地域ごとに発売開始日が違うが、11月下旬から順次発売される。
 『アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール』の僕のおすすめの楽しみ方は、まとめて5、6本購入して、ずらして飲むことによって違った熟成の違った味わいを楽しむことである。
 冷蔵庫では熟成が進まないので、常温で保存するようにしよう。

 『アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール』は冬季限定のビールである。と言うのも、瓶内二次発酵のビールは15度前後で保存しないとならないデリケートなものだからである。
 ここに30度を越える夏がある日本で瓶内二次発酵のビールが普及しなかった原因があると個人的には思っている。日本の夏、ボトルコンディションのビールを保存するには、ワインセラーのようなものが必要になってしまう。

 ただ、冬の間は比較的容易にボトルコンディションのビールを保存できる。冬季限定でボトルコンディションのビールを出したアイディアは素晴らしいと思う。
 他社が追随するかも楽しみである。

 『アサヒ スーパーイースト 刻刻の生ビール』を飲んだら、このブログで報告しようと思う。
posted by むちまろ at 19:17 | Comment(0) | TrackBack(2) | ビール
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