『銀河高原ビール』というブランドは維持されるが、規模は大幅に縮小されるという。事実上、消滅に近いだろう。
銀河高原ビールは赤字が続いていたし、今後も赤字が解消される見込みもないという。少なからぬ人がこの日をくるのを薄々感じていたのではないだろうか。
銀河高原ビールは地ビールの先駆け的ブランドである。また、生ビール(酵母が生きているビール)をはじめて流通ルートに乗せたと言ってもよいと思う。僕がはじめて飲んだ生ビールも銀河高原ビールだった。僕は銀河高原ビールによってビールの魅力、多様性に目覚めたと思うし、同じような人が結構いるのではないかと思う。
地ビールや生ビールを定着させた功績は大きく、この功績は今後も消えることはないと思う。
ただ、他にも地ビールがたくさん登場したり、ベルギービールをはじめとする輸入ビールが手軽に入手できるようになると、銀河高原ビールはその中に埋没していった。「酵母が活きている」というウリも珍しいものではなくなっていったし、低価格ビールと高級ビールへの二極化が進み、その中間的な存在の銀河高原ビールは個性を失ってしまったのである。
先ほど銀河高原ビールを「地ビールの先駆け」と書いたが、銀河高原ビールは地ビールでもなく、大手ビールでもなかった。経営が行き詰まったのは、地ビールにしては大きすぎ、小回りが効かなくなったのが主な原因であろうが、味の点でも、地ビールにしては個性がなく、大手ビールとしては値段が高すぎた。中途半端な存在だったのである。
大手が酵母が生きているビールに参入するに至って、銀河高原ビールの存在価値はほぼゼロになってしまった。
たとえば、コンビにでも買えるキリンの「ホワイトエール」と銀河高原ビールの「白ビール」を比較して、明確な違いがあるだろうか。「白ビール」とほぼ同値段の発泡酒「白にごり」などと比べても味に特色はない。銀河高原ビールはそれらのビールの中に埋もれてしまった。
一方、全国各地の地ビールは値段は高いが、大手のビールなどにはない個性がある。銀河高原ビールにはこの個性がないのである。
これは致命的であったと思う。
経営が行き詰まるに連れて、益々没個性化は進行していった。最近の銀河高原ビールは、かつての銀河高原ビールファンからすると寂しいものだった。最近の新商品にして、おそらく最後の新商品になるであろうビールの出来など、ひどいものだった。実は、あまりのまずさに、このブログに感想を書くのを止めたほどだった。
個性がなくなると同時に、クオリティーも確実に落ちていた。赤字である以上、仕方ないことではあろうが..。
繰り返しになるが、「生ビール」を定着させた銀河高原ビールの意義は大きい。銀河高原ビール以前に、日本人は「酵母が生きている」という生ビールなら本来当たり前のことについて殆ど意識していなかった。それを銀河高原ビールが変えたと思う。
しかし、いまや個性的なビールはいくらでもある。銀河高原ビールは残念ながら、歴史的役割を終えたのである。
「銀河高原ビールより皆様へご報告」のURLはこちら。
http://www.gingakogenbeer.com/news/info/index.html
■8月30日追記
銀河高原ビールの清算に伴なって、東日本ハウス株が大幅に上昇している。残念ではあるが、銀河高原ビールは相当なお荷物だったというのが市場の評価なのだろう。
むちまろさんの分析には膝を打つ思いがしました。
まだ出合っていない「最後の新商品」を飲みたいような飲みたくないような……。
正直、「最後の新製品」はかなり微妙です。
規模縮小に伴なって、真っ先にリストラされるのではないかなと思います。
その意味では、飲むなら今のうちかもしれません..。
大手の参入状況から見ても、プレミアムビール市場はそれなりの需要はあるのでしょうが、今回の結末は残念でなりませんん。
それでも作り続けるところに、社主の執念というか意地を感じますね。
私は土曜日に至上最大に酔っ払って、
お酒の飲み方を考えねば…と反省中です。
銀座高原ビールの分析、感心です。
でも、確かにそうですよね。当時はおしゃれで通な感じがしましたが、今は高いし中途半端なかんじですね。でも、ビール好きとして
その功績をたたえ、もう一回味わっておこうと思います!
あまりにも広角に展開してしまった為に、プレミアム性も失われとても中途半端な位置づけになってしまったと思います。拡大も縮小も出来ない中、今回の結論は正しかったのではないかと・・
少し淋しいけれど、飲めなくなるわけではないし、応援して行こうと思っています。
応援してくれた方、そうでない方、本当にありがとうございました。
厄年さんご指摘の通り、プレミアムビール市場には大手も参入してきましたよね。
市場としては魅力的だとは思うのですが、大手ほど営業力もなく、小規模の地ビールほど個性もない銀河高原ビールは苦しい立場にあったと思います。
完全撤退せず、造り続けるという選択は正直言って微妙だと思いますが、厄年さんご指摘のように社主の執念や意地という側面が多分にあるのかもしれませんね。
僕の週末はいまいちでした。
金欠のためワインを買って家で飲んだのですが、赤ワインの渋みがどうも苦手です。
まずくはなかったのですが、一本あけるのに相当苦戦してしまいました。
銀河高原はエリカさんが書いているように、「中途半端」だったと思います。
他の地ビールより安く「高級な」ビールが楽しめるというメリットがあったのですが、結果的にそこに落とし穴があった感じです。
かつての銀河高原ビールのファンは、ある人は安いビールへと、ある人はもっと高級なビールへと流れていってしまったと思います。
でも、発売当時は輝いていたと思います。瓶もおしゃれでしたしね。今でも、銀河高原の青い瓶は常時流通に乗っているビールの中ではベストでしょう。
p.s. エリカさん、デュベル好きなんですね。僕も大好きですよ。
銀河高原ビールのあの青いビンは、華道でよく使ってました。
展覧会でもみかけましたよ。私が所属していた会社の華道部でそのビンを使いたかったので、納会に「必要だから」と経費で落として購入し、きちんと飲んでラベルをはがして使い、今でも華道部の花器として活躍しているはずです。
そんな意味でも2度美味しいビールだったのになと、ちょっと残念です。
もし社員さんだったら、新製品の批判お赦しを 苦笑。
銀河高原ビールは地ビールの中ではメジャーでしたが、地ビールにしてはあまりにも大きすぎましたよね。
「経営」という点でも、中途半端に大きすぎて小回りが効かなくなっていた面があったと思います。
造り続けるという選択は微妙ですが、僕も応援したいと思います。
個人的には、ヴァイツェン、小麦のビール、ドイツクラシックに集約して頑張っていくのがいいのではないかと思います。
僕は銀河高原ビールの中では、ドイツクラシックが一番好きです。
コメントありがとう。
経費でビールが飲めるの、いいですね 笑。
それはともかく、銀河高原ビールヴァイツェンの青い瓶はおしゃれですよね。
焼酎や日本酒などでもおしゃれな瓶が出てきましたが、おしゃれな瓶のビールってあまりないですよね。
社内でも賛否両論でした!銀河らしくないというか、可もなく不可もなくと言う感じですか。ピルスナー系のビールはどうしても大手にかなわないんです・・だって基本的に同じ味だから。でもこれだけは言えます!決していい加減に造った物ではありません。個人的にあまり感心していませんが・・ビールの全体消費量が年々減少し、厳しい状況の中みんなよくやった!ビール文化に一石を投じた事を誇りに思います。と!社員なら思うのではないでしょうか。
なるほど〜。
ピルスナーを選んだことは失敗だったかもしれないですね。ドイツクラシックは大手のプレミアムピルスナーと肩を並べているか少し上を行っていると思いますが、それだけの違いしかないなら大手を選びますよね。
クール&クラッシュに至っては、全く特徴がなくなってしまいました。消費者が銀河高原に期待しているものとは全く別のものでした。
ただ、大手がプレミアム市場に参入したのも、銀河高原ビールを見て、ある程度やれると確信したからだと思います。
銀河高原ビールよりおいしい地ビールは他にもたくさんありますが、大手を動かし、大手の姿勢を変えたのは銀河高原だけだったと思います。
ある意味では、大手の実験台になってしまったという感じもしますが..。
でも、銀河高原ビールが、日本のビール史上に残ることは間違いないです。社員だけでなく、ビール好きならみんな、その点を評価していると思いますよ。
気になって、その人に電話をするのですが
繋がりません・・・・
会社倒産なので、その人も仕事を辞めたのか、
まだ残って働いてるのか・・・・・
とても気になります。
銀河高原ビールに携わってきた人は皆リストラ
ですか??